12月6日、子供の守護聖人サン・ニコラのブリオッシュ Brioché Alsacien pour la fête de Saint Nicolas

サン・ニコラの日のブリオッシュ

サン・ニコラの日の名物といえば、アルザス地方では「マナラ(Mannala)」。ブリオッシュ生地で作った人の形をしたパンです。

 

12月6日はキリスト教では、子供の守護聖人「 Saint Nicolas(サン・ニコラ/聖ニコラ)」の日です。この日には、オランダ、ドイツ、オーストリア、スイス、ベルギー、フランスの北東部などヨーロッパの国や地域で、子供のためのお祭りをして祝う習慣があるのだそうです。

 

サン・ニコラの日の由来と伝説

聖人ニコラ(聖ニコラウス)/サン・ニコラは、四世紀に港町Myra(現在はトルコに属している古代都市)で生まれたと伝えらえ、その死後、彼の命日の12月6日にお祭りをして祝うことになったのがそのルーツと伝えられています。

サン・ニコラの有名な言い伝えのひとつが「肉屋の伝説」。

3人の子供たちは道に迷って困っていたところを肉屋に助けられます。
ところが、肉屋の悪巧みで、のちに殺されて樽の中で塩漬けにされてしまいます。その子供たちを救って奇跡的に生き返らせたというのがサン・ニコラの肉屋の伝説で、サン・ニコラが子供の守護聖人といわれる所以です。

 

アルザス地方のサン・ニコラのパン マナラ (mannala)

 

サン・ニコラの日にも伝統行事と関連の深い食習慣が存在します。

ベルギーのサン・ニコラの形をしたスペキュロス(シナモンスパイス風味のクッキー)が有名ですが、フランス北東部アルザス地方では、「マナラMannala(Manneleとの呼び方もあり) 」という人の形をしたブリオッシュ生地のパンがこの季節の風物詩です。

アルザス地方では「マナラ(Mannala)」, バターをやや控えたブリオッシュ生地で作ってみました。ショコラー・ショーと合わせて、おやつや朝食にも

 

卵やバターを多く含むブリオッシュ生地

小麦・水・塩が主な材料のフランスパンや、ライ麦パンなどのリーンな生地とは対照的に、ブリオッシュは、卵・やバター、砂糖を多く含むリッチな生地です。

一説では、かつてのフランス王妃、マリー・アントワネットが言ったとされる『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない』のお菓子は、ブリオッシュのことを指していたとも。

 

フランス各地のブリオッシュ生地のパン屋やお菓子

マナラ以外にも、ブリオッシュ生地が主体のものには、リヨンなどローヌ・アルプ地方のブリオッシュ・ド・サンジェニ(サンジェニのブリオッシュ)、オーベルニュ地方のブリオッシュ・ド・プラリネ(プラリネのブリオッシュ)、北フランスのタルト・オ・シュクル(砂糖のタルト)などがあります。

 

今回は、アルザス料理やとブリオッシュをキーワードに「フランス語のおいしい本」を選んでみました。

la cuisine d’ALSACE アルザス料理

 

Les Petites Toques chocolat / Lenôtre
ルノートルの子供向けレシピ本。

CARNETS de RECETTES LA CUISINE AUVERGNATE

フランス/オーベルニュ地方の郷土料理レシピ本
塩漬け肉を使った煮込み料理ポテも、この地方の名物。

CARNETS de RECETTES LA CUISINE SAVOYARDE

フランス/サヴォア地方の郷土料理レシピ本

 

さて、サン・ニコラの“サン”はフランス語で「Saint =聖なる(英語: holy)」の意味ですが、同音異義語の“サン”「Sans =〜なしで(英語: without)」だと、意味が全く変わってしまうので聞き違いには、ご注意を。

 

une bonne journée à tous

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